メンズ財布は、あまり時代の流行に左右されにくいアイテムのひとつと言えそうです。新しい革ブランドの誕生などによって、
多少”人気のブランド”の変動はありますが、「今までと異なる素材の財布が流行する」「今までにない形の財布が人気となる」
などといった、革新的な変化はほとんど生じることがありませんからね。
時代の流れに左右されることのない、安定した価値観
に支えられているのが「メンズ財布」なのではないでしょうか。
日本において、近代化社会となってから最も高い人気（販売実績）を有している財布の素材は「本革素材」。財布デザインは
「長財布」となっています。これは、近年も変化無く推移しています。
基本的に、あまり時代の流れによる変化（流行、価値観の変化）が少ない”メンズ財布市場”ですが、そんな中、大きな変化として
取り上げることが出来るのが、「ラウンドファスナーデザイン長財布」の台頭です。
もともと、ラウンドファスナー長財布は、レディース財布として、人気を有していました。現在でも、レディース財布の中では、
一番人気と言えるフォルムデザインです。昔は、ラウンドファスナー長財布というと、女性用の財布としてのイメージがあったもの
です。
しかし、転機となったのが「カード類の増加」でしょうか。クレジットカードは、わりと昔から存在していましたが、
様々なサービスにおいて”ポイント”が重要性を高めるとともに、各種ポイントカードが増加しました。また、近年では、
キャッシュレス化の流れの中、suicaなど”ＩＣカード”の利用者も増大しています。
財布に収納しておきたい、カード類が増加することとなったのです。
そこで、多くのカード類を有する男性にとって、財布に求めるようになったのが「豊富な収納力」という要素。財布フォルムデザインの中で
最も高い収納力を有するラウンドファスナーデザイン長財布が、新たにメンズ財布の主力となってきたのです。今の日本において、
通常の「フラップデザイン長財布」に次いで、二番目に人気のある財布デザインとなっています。
現代日本において、特殊なデザイン（少数）を除くと、メンズ財布には、「ラウンドファスナー長財布」「Ｌ字ファスナー長財布」
「フラップデザイン長財布」「二つ折り財布」「三つ折り財布」「クラッチデザイン長財布」の6種類フォルムデザインが
存在しています。（実際には、二つ折り財布にも、ラウンドファスナーデザイン・Ｌ字ファスナーデザインが存在していますが、
対象アイテムが少ないので、分類からは除外しています。）
6種類のフォルムデザインには、それぞれ機能性・使い勝手上に特性（個性）があるもの。各々の特性を理解しておくと、財布
選びをする上で、大いに役立つものと思います。
近年、メンズ財布として人気台頭しているのが”ラウンドファスナーデザイン長財布”です。他の財布デザインと比較した
時に、最大の特徴・メリットとなるのが「収納力の高さ」という要素。お札・小銭以外に、各種カード類（クレジットカード
、ＩＣカード、ポイントカード、診察券など）やレシートなどを、同じ財布に分類・収納する形で持ち歩きたい方に
大人気の財布となっています。
反面、デメリットと言いますか、使い方上適正が無いのが、「衣服のポケットに財布を入れて持ち歩くことに不適切」な
フォルムデザインとなるということです。
”収納力が高い”ということは、必然的に”財布の厚みある”こととなります。パックポケットやスーツ上着の内ポケット
には、収納しにくい財布となります。基本的には、バッグ（鞄）に入れて持つ歩くことを前提とした財布と考えておきましょう。
また、ラウンドファスナー長財布を選ぶ上で重要視していただきたいのが、「強度の高い革素材（しっかり感のある革素材）」
が使用されたアイテムを選択することです。ラウンドファスナー長財布は、その特性上、多様な要素（カード類など）を沢山
収納することとなります。ゆえに、財布自体の強度が高く、形が変形しにくいことが中身を保護することに繋がるんですね。
財布の形が変形しやすいと、中身（カート類など）が破損することに繋がってしまうからです。「コードバン」「ブライドルレザー」
「ミネルバボックス」など強度と耐久性を兼ね備えた、しっかり感のある革素材仕様の財布を中心に選ぶようにしていただければと
思います。
■本革メンズ財布情報！高収納力が魅力のラウンドファスナーデザイン長財布特集。はこちら。
財布の二方向がファスナーによって開閉できるようになっているのが「Ｌ字ファスナーデザイン」。
同じファスナーを使用しているのですが、ラウンドファスナーデザイン長財布とは、特性がほぼ真逆となっているのが
特徴です。
Ｌ字ファスナーデザイン長財布の最大の特徴となっているのが「スリムさ」。財布フォルムデザインの中で、最もスリムな財布
に位置づけることが出来ます。
反面、「収納力が劣る」のも、Ｌ字ファスナーデザイン長財布の特徴のひとつ。小銭ポケットは付いていますが、基本的に、
あまり多くのお札・小銭は収納することが出来ません。日常生活において、キャッスレス志向
（クレジットカード、ＩＣカードの積極的な活用）の方に適した財布デザインと言えそうです。
また、Ｌ字ファスナーデザイン長財布を選ぶ上で重視していただきたいのが、「しなやかさを有する革素材」が使用された
アイテムを選択すること。こちらもラウンドファスナーデザイン長財布と相反することとなるのですが、
スリムさを追求したフォルムとなっているものが多いことから、財布全体がしなやかで柔軟にあることが、開閉のしやすさ
や中身の出し入れのしやすさをもたらすこととなるからです。
逆に言うと、強度の高い・硬さを感じる革素材で作られた、Ｌ字ファスナーデザイン長財布だと、開閉がしにくく、利便性に
欠けることとなってしまうのです。そういう意味で「ナポレオンカーフ」「ミネルバリスシオ」などのしなやかな革素材で
作られたアイテムを選ぶようにしていただければと思います。
■本革メンズ財布情報！スリムさが魅力のＬ字ファスナーデザイン長財布特集。はこちら。
一般的に”長財布”と言われているフォルムデザインが「フラップデザイン長財布」です。「かぶせ付き長財布」
「かぶせデザイン長財布」とも呼ばれています。汎用性の高さ（融通性の高さ）が魅力となっています。
財布としての機能性バランスが最も優れているのが最大の特徴。お札・小銭・カード類がバランス良く収納できるだけでなく、
スーツ上着の内ポケットにスムーズ収納できるサイズ感を兼ね備えています。必要十分な収納力を有しつつ、ポケットに入れて、
持ち歩くことが可能なことが、一番人気を継続している最大の利点と言えそうです。
フラップデザイン長財布には、「小銭入れ付き」と「小銭入れ無し」の2タイプがあります。スーツスタイルへの適正を
重視、スマートに財布を活用したい方、キャッスレス志向の方にとっては、スリムスタイルとなる小銭入れ無しタイプが人気アイテムとなっています。
あくまでラウンドファスナーデザイン長財布との比較ではありますが、デメリットとしては、財布を落とした時などに、中身が散乱して
しまう可能性があるということでしょうか。中身の保持力・安全維持にやや欠けるのが課題と言えるのかもしれません。
ビジネスシーンにおいては、あまり好まれない財布となることから、販売数的に”長財布”に劣るアイテムと
なっていますが、時代を問わず安定的な人気を得ているのが「二つ折りデザイン財布」です。
特にプライベートシーンにて、バッグ（鞄）を持たないことのほうが多い男性に、多くの支持を得ている財布デザイン
となっています。最大の特徴が、ジーンズなどのバックポケットに財布を入れて持ち歩くことが出来るということ。
長財布では、財布が露出してしまいますので、安全上もバックポケットに収めることには不向きとなりますが、
二つ折り財布は、露出することなく、ポケットに入れられるのが魅力となっています。
二つ折りデザイン財布も、フラップデザイン長財布と同様に、「小銭入れ付き」と「小銭入れ無し」のタイプが存在しています。
昔は、”小銭入れ付き”が断然人気となっていましたが、近年は、キャッスレス志向の方が増加したことに応じて、
”小銭入れ無し”タイプの二つ折りデザイン財布が同程度の人気アイテムとなっています。
長財布との比較となりますが、二つ折りデザイン財布は、「耐久性が劣る」「型崩れがしやすい」というのが、デメリットと
なります。利用上、二つ折りデザイン財布はバックポケットなどに入れて持ち歩くことが多いため、どうしても、ダメージ
を受けやすいものとなるからです。
そこで重要なポイントとなるのが、「キズが付いても、老朽化を感じさせない革風情（レトロ感など）を有している革素材」
「耐久性の高い革素材」を使用している二つ折り財布を選ぶということ。キズが付くのは、仕方がないことと割り切って、
良き風合いとして感じられるものを選択することが大切な要素に。
女性用財布としては、人気があるものの、メンズ財布としては、市場に占める割合が最も低いのが「三つ折りデザイン財布」
です。ただ、三つ折り財布は、”コンパクト性”が高いのが最大の特徴。特殊な利用状況として、オードバイ運転手
（バイカー）の方に高い人気を誇っている、「バイカーズウォレット」に最も多く採用されている財布デザインと
なっています。
実際、三つ折りデザイン財布のほとんどがバイカーズウォレットと言っても良いのかもしれません。
バイカーズウォレット以外に、三つ折りデザインのメンズ財布は、あまり見かけることが無いのが実情です。
基本的に三つ折りデザイン財布は、他の財布デザインと比較すると、最も収納力に劣る財布となります。それゆえに、
バイカーズウォレットのように、特定の状況下で活用する第二の財布として活用することが望ましいものとなりそうです。
こちらも市場割合は低い財布デザインとなりますが、その多機能性と豊富な収納力から、コアな人気を誇っているのが
「クラッチデザイン長財布」です。多機能性＆収納力を十二分に活かすことを重視ていることから、全体ボリューム
としては、大型で厚みのあるフォルムデザインとなっているものが多く存在しています。
やや大き目フォルムのクラッチデザイン長財布の場合、”クラッチバック”と同様の機能性（様々なアイテムを収納、
豊富な収納力）を有するアイテムも存在しています。通帳やお薬手帳・パスポートなどを一緒に持ち運べる財布と
なるものもありますからね。クラッチデザイン長財布は、多様性が最大の魅力となっています。